AIイラストの追加学習アイテムとしてよくお話に上がってくるLoRa
これを使えると、AIイラスト生成の自由度がグッと上がります。
本記事では、「LoRaとは何者か?」や「学習方法は?」などの疑問に対する解答をがっつりまとめていきますよ~!
Stable DiffusionにおけるLoRaとは?
Stable DiffusionにおけるLoRaは『Low-Rank Adaptation』と呼ばれるモノです。
ざっくり言うと、「ものすごく少ない計算量で追加学習が可能な手法」です。
AIの学習には、膨大な計算量が必要であり、ハイスペックなPCと時間が必要不可欠でした。
ボクが研究生だった頃、モデルの訓練のために何週間もパソコンを回しっぱなしという光景もよく目にしています。
ですが、LoRaを使えばお手軽に(とは言っても、多少のPCスペックは求められますが)追加学習をすることができます。
あ、Stable Diffusionを取り扱うためのPCの必要スペックなどの情報は、以下の記事でまとめていますので、よろしければ合わせてご覧くださいませ!
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LoRaのココがすごい
さて、お手軽に追加学習ができるようになって、「何が嬉しいのか?」気になりますよね。
モデルを自分好みにチューニングできるようになるので、以下の2つが簡単にできるようになるんですよね。
・任意のキャラクターを狙って出しやすくなる
・画風の調整もできる
たとえば、こちらはLoRaを使って出したブルーアーカイブのアロナちゃんですね。
アロナちゃんを「青い髪、ピンクも混ざっている、三つ編み……」などと細かくプロンプトを指定して出すのはなかなか難しいです。
キャラクターの二次創作にもLoRaは使えますので、興味があれば以下の記事も合わせてご覧くださいませー!
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また、『同じキャラを出し続けることができる』という性質上、AIイラストを活用した漫画作りにもLoRaは有用です。
Stable Diffusionを用いた漫画作りについては、以下の記事も合わせてご覧ください!
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LoRaの入手方法
LoRaファイルはCivitaiやHugging Faceなどから入手することができます。
特に、Civitaiはイラストの生成例やプロンプトが出てくるので便利ですよ~!
お試しで自分の好きなキャラクターの名前を検索してみると、意外とそのキャラクターが出てきます。
CivitaiはグローバルなWebサイトですので、キャラ名を英語だったり、中国語だったりで入力しないと出てこないケースもありますので、いろんな言語で試してみてください。
Stable DiffusionでLoRaを使う方法
Stable DiffusionでLoRaを使う方法について解説していきます。
ツールとしては、Stable Diffusion Web UIを使う前提でお話します。
「Web UIってなに? どうやって導入するの?」という方は以下の記事も合わせて参照してくださいませ~。
親見さん ローカルPCでStable Diffusionを使ってみたいですね。 そんなときは『Stable Diffusion Web UI(もしくはStable Diffusion automatic1111)』を[…]
今回は、お試しでブルーアーカイブの『黙れば美少女、話せばやべーやつのシロコちゃん』LoRaを使ってみます。
天使のようなわっかや逆さ十字のような髪留めが、プロンプトでは表現しづらいですよね。
ですが、LoRaを使えばそのあたりの問題は解決できます。
Stable Diffusionから手順としては、以下のようになります。
①LoRaファイルを入手する
②入手したLoRaファイルをStable Diffusionツールの指定のフォルダに入れる
③Web UI上で使うローラを選択する
④実行!
①LoRaファイルを入手する
ひとまずCivitaiからLoRaファイルを入手していきます。
今回は、こちらのLoRaを使わせていただきます。
まず、Trigger Wordsにある呪文をメモっておきましょう。
今回の場合は『shiroko (blue archive)』ですね。
これをプロンプトに入れることで、LoRaの学習結果がより強力にイラストに反映されます。
(まあ、最悪なくてもイラストにLoRaの学習結果が反映されます)
Trigger Wordsのメモが終わったら、Downloadボタンをクリックしましょう!
LoRaファイルであるsafetensorsファイルがダウンロードできます。
②入手したLoRaファイルをStable Diffusionツールの指定のフォルダに入れる
入手したLoRaファイルをStable Diffusion内にある「models\Lora」フォルダに格納します。
リネームをしていなければ、「stable-diffusion-webui-models\models\Lora」というフォルダ構造になっているはずです。
③Web UI上で使うローラを選択する
Stable Diffusion Web UIを起動して、Loraを使う設定をしていきましょう。
Generateのそばにはる花札マークをクリックすると、「Textual Inversion~Lora」のタブが生成されます。
Loraタブをクリックすると、先ほど入れたシロコちゃんLoraがあります。
それをクリックすると、プロンプトのテキストボックス上に<lora:~~>の文字が入ると思います。
これで、準備完了です。
実行しよう
あとは、通常通りプロンプトを準備してイラストを生成していくだけです。
単純に1girlと入れて、イラストを生成するだけでもシロコちゃん寄りの女の子が出現するようになります。
今回のLoRaでは、こんな感じに仕上がりましたね!
もし、どんなプロンプトを用意していいかわからない場合は、Civitaiにサンプルがあります。
イラストの右下にあるインフォメーションマークをクリックすると見えますので、参考にしてくださいませ~。
まとめ
LoRaの使い方と入手方法についてまとめました。
・LoRaファイルはキャラクターの再現度を上げる手法
・Civitaiなどのサイトから入手できる
・Stable Diffusion Web UIで使用ができる
最後までよんでくださりありがとうございました!
マヨナカログでは、ほかにもAI×エンタメ記事を取り扱っていますので、よろしければご覧になってくださいませ~!
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