終わりよければすべて良し。
小説の結末は読者の記憶にもっとも残りやすく、作品の印象を決める重要な要素です。
読者が「ほぅ」とうなるような小説の結末の書き方をこの記事ではまとめていきます。
・良い小説の結末の定義
・読者がうなる結末の書き方
小説における良い結末の3つの定義を解説するよ!
小説の良い結末は3つの条件を満たしている必要があります。
①主人公が大目標を達成している
②大目標を達成した主人公が変化(成長)している
③余韻を残す形で、作者がさっさと舞台を降りている
この3つの条件を満たしていれば、小説の結末としては合格です。
①主人公が大目標を達成している
主人公の大目標の達成が、物語の終わりです。
結末の時点で主人公が大目標を達成していなければ、物語は終わりを迎えていないことになります。
・恋愛物ならば、主人公がヒロインに告白をして、恋人同士になる。
冒頭時点で「魔王を倒す」と主人公が決意をしたなら、必ず魔王を討伐しましょう。
②大目標を達成した主人公が変化(成長)している
小説における良い結末では、主人公の変化が書かれています。
「主人公が大目標を達成したことによってどう変わったか?」を必ず読者に伝えているのです。
「魔王を倒した」ではなく、「魔王を倒した経験を通して、主人公がどう変わったか?」を書きましょう。
例を挙げると、「冒頭時点では臆病で、魔物を前におびえばかりの主人公が、魔王との戦いを通して本当の勇気を手に入れて何物も恐れなくなる」ですね。
「魔王を倒す」が外面的な結末だとすると、「主人公の変化」は内面的な結末というわけです。
③余韻を残す形で、作者がさっさと舞台を降りている
主人公が大目標を達成し、それによる変化を書き終えたら、物語をさっさと終わらせてしまいましょう。
気持ちはわかります。
劇が終わった舞台から俳優が降りるように、小説でも物語が終わったらキャラクターと一緒に作者も舞台から降りるべきです。
結末後の書き切れなかった事実は、読者の想像に任せてしまいましょう。
それが余韻に繋がります。
①~③の創作理論については、以下の書籍『物語の法則』でも語られていますのでよろしければ参考にしてみてください。
クリエイターならば1度は読んでおきたい書籍として、『物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』を紹介します。 創作におけるディープな理論や心構えが本書籍にはたっぷりと詰まっています。 この書籍は映画や小説に[…]
読者がうなる小説の結末の書き方!
良い結末の条件がわかったところで、読者がうなる小説の結末の書き方を解説していきます。
良い結末の三大要素を満たすために、以下の視点から物語を考えてみましょう。
・主人公の変化を意識してプロットを準備する
・すでに制作中の場合は、自身の作品を読み返しながら伏線を探す
小説のストーリーを結末から考えてみる
小説の良い結末を書くために、ストーリーを結末ベースに考えて行く方法です。
主人公の大目標をバチッと決めてから、そこから逆算して物語の筋道を作っていくので、過程で迷うことが少なくなります。
主人公の変化を意識してプロットを準備する
小説の冒頭と結末を比べたとき、主人公の心理状態にギャップが産まれるように設定します。
結末で主人公が「何物にも恐れない勇気」を手に入れるとしましょう。
その場合では、冒頭時点での主人公の性格を「なんにでも怖がるびびり」に設定するんです。
物語を通して勇気を身につけていき、最後の戦いで本物の勇気を手に入れます。
最初と最後のギャップを用意できれば、結末の完成度が一気に上がるんです。
すでに制作中の場合は、自身の作品を読み返しながら伏線を探す
もしあなた様がすでに作品を書いている途中で、結末に困っているようでしたら、自身の作品を一度読み返して伏線を探してみるといいです。
自身が伏線にするつもりがなかったキャラクターの行動が、結末に繋がるケースはよくあります。
問題ないです。
それどころか、作者すら気づかなかった伏線なので、読者が「ハッ」とする結末になる可能性も高いです。
小説の結末の種類を押さえておこう!
物語の結末の型を知っておくと、小説の結末を書く際の参考になります。
自身が目指したい結末の型がどれなのかを把握しておけば、『読後の読者さんにどんな気持ちになって欲しいか』が明確になって、感情を揺さぶれる可能性が上がるからですね!
ハッピーエンド
もっともメジャーで、みんなが愛してやまない結末の型がハッピーエンドですね。
主人公が目標を達成して、自分の周囲や世界を幸福にする結末です。
バッドエンド
主人公やその周囲のキャラクターが、不幸な状態で結末を迎える型がバッドエンドですね。
物語を読み終えた読者さんにもやもやを残していきます。
・メッセージ性を強調したい場合は、バッドエンドの方が深みが出る
上記のような理由でバッドエンドが作られます。
インパクトのある作品を作りたい場合は、狙ってみるのもありですね。
ビターエンド
ハッピーエンドとバッドエンドの中間地点にあるのが、ビターエンドです。
ビターエンドでは主人公が大目標を達成しますが、同時に大切なモノを失います。
ハッピーエンドだけど、失ったモノに対する切なさがある終わりです。
この終わり方では、読者の心に切なさや悲しさといった感情を残すことが多いですね。
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メリーバッドエンド
メリーバッドエンドは、読み手の解釈によって受け取り方が変わってくる結末です。
代表的な例では、登場人物と読者の価値観の差があるケースでしょう。
ヤンデレキャラクターがいるとします。
「想い人をホルマリン漬けにしてでも、ずっと一緒に居られれば幸せ」とヤンデレちゃんが考えており、物語の結末でその通りになります。
ヤンデレちゃんとしてはハッピーなのですが、読者としては「うわぁ……」となるでしょう。
メリーバッドエンドでは、その「うわぁ……」という心の動きを作るのが目的になります。
鬱エンド
もはや救いようがない、どの視点から見ても、全員が不幸になっている結末が鬱エンドです。
読者すらも憂鬱にして、幸せな感情はチリすら残しません。
ダークファンタジーやゲームに多いですね。
この結末もインパクトが大きく、話題になることが多いです。
そして、人間の怖いもの見たさの本能をくすぐる結末でもあるので、一定のファンが見込めます。
まとめ
小説の結末の書き方についてまとめました。
小説の結末の書き方をマスターすれば、グッと引き締まった作品になりますので、今一度自身の作品を見つめなおしてみてくださいませ!
本サイトでは、他にも創作に役立つ情報を取り扱っていますので、参考にしていってくださいな。
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