【作家必見!】文章力が魅力の参考にすべきおすすめ小説GOSICK

親見さん
魅力的な文章ってなんなのでしょうか……?

小説を書く人にとって、一生悩める命題の1つです。

もはや、哲学の領域。

魅力的な文章――この解答は複数あると思います。

そのすべてを網羅することはできませんが、今回はそのうちの1つの解答を提示します。

ボクは、十年以上小説を書く傍ら本を貪ってきました。

「ああ、この人の文章上手い!」「読みやすい!」「参考にしたい!」と思った作品は数多くあります!

今回、「魅力的な文章」という面において、人生最大級の衝撃を受けた作品を1つ紹介します。

桜庭一樹先生の小説「GOSICKーゴシックー」です!

この作品は、みなさんの文章力を一段上のレベルに上げるための参考になります。

本記事にはネタバレは含みませんので、安心してお読みください。

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GOSICKの概要

GOSICKの小説の歴史は長く、なんと2003年に1巻が刊行されています。

親見さん
20年近く前の小説なのですね!
モノガタリの詳細
ジャンル:推理小説

舞台:1924年のヨーロッパ――ソヴュール王国の聖マルグリット学園(仮想の国と学園)

主人公:久城一弥

日本からソヴュールに留学してきた帝国軍人一家の三男。マルグリット学園では日本人特有の黒髪と不吉な噂のせいで、クラスメイトから「春に来たる死神」扱いされている。超生真面目で、頼まれたことを断れない性格から、ヴィクトリカに下僕扱いされがち。
金色が好き。(金髪が好き)

ヒロイン:ヴィクトリカ・ド・ブロワ

金髪碧眼のビスクドールを思わせるような美しい少女。だが、引きこもり。いわゆる安楽椅子探偵役。とにかくわがままで、天邪鬼で、毒舌家。いつもわがままを言って久城を振り回しているが、「知恵の泉」でどんな難解な事件も解決してみせる。
フリルとお菓子が好き。
親見さん
私は小さくてかわいいヴィクトリカちゃんが好きです!

キャラクター設定や物語の運びも素晴らしく、そこら辺を細かく書いていたら記事が十枚くらいできてしまいそうなので割愛します。

魅力的な文章の紹介

GOSICKの文章の味わいを一言で表すなら、「外はカリカリ、中はふわふわな揚げたてのドーナツ」です!

親見さん
そ、その例えだけではよくわかりません……。

わかっています! なので、実際に文章を見ていきたいと思います。

スイスとの国境は、なだらかな山脈と心地よい高原。フランスとの国境は、のどかに広がる葡萄畑。イタリアとの国境は、地中海に面した騒がしい港町。細長い形状をした国土の一端は、自然豊かなアルプス山脈の奥、もう一端は貴族の避暑地として知られるリヨン湾に面している。周囲を列強に囲まれながらも、世界大戦を生き抜いたソヴュール王国は、過ごしやすい気候と豊かな自然、そして、長く荘厳な歴史を誇っていた。
引用:GOSICK1巻より

舞台であるソヴュール王国の説明1つをとっても、文章全体の骨格がしっかりしているんですよね。どんな国なのか、これだけで概ねわかってしまいます。

親見さん
情報が整理されてて、すらすら頭に入ってきますね! 現実には存在しない国ですが、リアリティがあります。

これが、ドーナツのカリカリな部分で、ずっとこれが続くわけではないんですよね。

物語パートで人が動くと、こうなります。

旅支度の大人たちのあいだを、まるで台所の床を走る二匹の鼠みたいに、二人でバタバタ駆け抜けた。乗るはずの蒸気機関車が、ホームの真ん中でちょうど動き出したところだった。一弥は振り返って、ヴィクトリカの手を引っ張った。彼女は金髪をなびかせて、小さな体で懸命に走っていた。ヴィクトリカの体を持ち上げるようにして乗せると自分も後から飛び乗った。
二人を乗せた機関車が、速度を増して、小さな駅舎のホームを轟音とともに駆け抜けていく……。
ドアの近くに立って、手すりをつかんでいるヴィクトリカの金色の髪が、風に吹き上げられて綿菓子みたいにふくらんだ。その向こうに、びっくりしたように見開かれたエメラルドグリーンの瞳があった。
引用:GOSICK1巻より

かーなーりしっかり描写されていますよね! そのくせ堅苦しくなくて読みやすい。

そして、場面場面が脳裏に自然に浮かんできます。「台所の床を走る二匹の鼠みたい」って表現も素敵ですよね。

こういう素晴らしい比喩表現が、GOSICKの魅力の1つです。

あと、GOSICKの全作品通じていえるんですが、特に擬音語の使い方が上手いんですよね。

その実例がこちら!

貴婦人の如く大威張りでお菓子を咀嚼するヴィクトリカが、ようやく満腹になると、一弥はまたトランクに荷物を詰めなおして、小さなヴィクトリカのぷくぷくした手を握りしめ、歩き出した。
引用:GOSICK5巻より

一弥は黙って、ヴィクトリカのぷくぷくした手を握り返した。
引用:GOSICK5巻より

使いすぎれば陳腐になりがちな擬音を完璧に使いこなしてるんすよ。

親見さん
擬音語や比喩が、ドーナツのふわふわでやわらかい部分なんですね!

適度に硬く、適度にやわらかい。だから美味しい! 文章の食感が最高の作品なんです!

個人的に「ヴィクトリカのぷくぷくした手」が、ボクにはぶっ刺さりました。

親見さん
ぷくぷくした手、握りたいですね!

この部分だと「貴婦人の如く大威張りでお菓子を咀嚼するヴィクトリカ」の表現が大好きです。

親見さん
最近の作品ではお目にかかれない表現ですよね。

大威張りでお菓子を食べるヴィクトリカってなに!? ってなりつつも、他シーンのヴィクトリカの立ち振る舞いの描写を知っていると、頭にその様子がありありと浮かんできます。

まとめるとボクがGOSICKの文章に魅力を感じているのは、これです!

・情報整理された描写が読みやすい
・擬音語の使い方がずば抜けてうまい
・面白い比喩がたくさんある

これらのおかげで、無限に読み進められる魅力的な文章になっています!

GOSICKシリーズ一覧のご紹介

GOSICKは20年近く前にシリーズが始まった小説であり、ロングセラー商品です。

シリーズは大きく以下の3つに分かれています。

・GOSICKシリーズ
・GOSICKsシリーズ
・GOSICK Colorシリーズ
GOSICKシリーズを読み始める時、どれから読めばいいのかわからなくなりがちなので時系列を紹介していきます。

GOSICKシリーズ

コチラはGOSICKの本編に当たるシリーズ

GOSICKをこれから読み始めるぞ! という方はぜひこちらから読み始めてください。

GOSICKs(ゴシックエス)シリーズ

GOSICK本編のサブシリーズに当たるのがGOSICKsシリーズです。

GOSICK本編では語られなかったサブエピソードがたくさんあり、本編を気に入ったら是非読んでみてくださいませ!


GOSICK Colorシリーズ

GOSICK Colorシリーズは正式名称ではないのです。

GOSICK REDやGOSICK BLUEといったタイトルの後に色を冠したサブタイトルが付いたシリーズを指します。

こちらは本編完結後の物語になっていますので、成長したヴィクトリカの姿を見たい方にはおすすめのシリーズになりますよ。

Colorシリーズの第一巻目はREDになっています。


まとめ

今回紹介した文章はあくまで一部で、本作にはもっともっと魅力的な文章や表現がたくさんあります!

本当は物語やキャラクターについてもまだまだ語りたいのですが、それは読んで確かめてください。

GOSICKを読めば、「魅力的な文章がなにか?」の模範解答の1つがわかります。

みなさまの文章力の向上に間違いなく繋がりますので、ぜひご一読ください!

本サイトでは他にも執筆に役立つ作品を紹介していますので、参考にしてくださいませ!

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