読みやすい小説の書き方 | 読者さんが読み進めてくれる文章とは?

親見さん
読みやすい小説の書き方を知りたいです!

小説の執筆に挑んでいると、「読者さんにとって読みやすい文章は、どんな書き方をされてるのだろう?」と頭を悩ますことが多いです。

本記事では、読みやすい小説にするための文章の書き方をガッツリまとめていきます。

INDEX
・読みやすい小説は、どんな書き方をされている?
・文章を読みやすくするためのテクニック・トレーニング
・書籍から学ぶ読みやすい文章の書き方
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どんな書き方をすれば、読みやすい小説になるか

読みやすい小説の書き方を知るために、「読みやすい」の定義をおさえておきましょう!

定義を知れば、目指すべき場所が見えてきます。

読みやすい小説の条件
・5W1Hが明記されている
・文章の基礎に沿って書かれている
・魅力的な表現があり、同じ表現が繰り返されていない
・会話文と地の文の配分が適切
・漢字とひらがな、カタカナのバランスがいい

自作品が読みやすい小説の条件を満たしているか振り返ってみて、足りない部分を探してみましょう。

5W1Hが明記されている

小説のシーンごとに5W1Hが明記されていると、読者さんは状況の把握ができます。

5W1Hは以下の要素で構成されています。

5W1H
When :いつ
Where:どこで
Who :誰が
What :何を
Why :なぜ
How :どのように

理由がない限り、すべて記述しておくと読者さんが喜びます。

文章の基礎に沿って書かれている

「てにをは」や「主語、述語」が適切に使われている文章は、読みやすいです。

親見さん
一文読むたびに「この文はどういう意味なんだろう?」と読者さんが頭を悩ませていたら、すらすら読める文章とは言えませんね……。

読者さんの負担を減らすという視点では、一文一文を短く書くことも重要ですね。

一文が長いと読者さんの頭に入っていく情報が多すぎて、読解をしにくくなってしまいます。

魅力的な表現があり、同じ表現が繰り返されていない

読者を引き込む魅力的な表現は、読みやすい小説の条件の一つです。

淡々と書かれている正しいだけの文章が、読みやすいとは限らない。

これが、小説の良いところでもあり、難しいところでもあります。

親見さん
ネットや新聞の記事では淡々とした読みやすい文章が正義ですが、小説は違いますもんね……。

空の青を表現するとき、時には海の色にたとえ、時にはサファイアにたとえる。

彩りのある表現が小説には必要になります。

会話文と地の文の配分が適切

会話文と地の文の比率も、小説の読みやすさを向上させる重要な要素です。

地の文続きだと退屈な印象を与えがちですし、会話文だけだと情景や動作が書き切れません。

親見さん
適切な比率はあるのでしょうか?

作品の狙いによって異なります。

軽快な作風にしたいなら会話文の、重厚な雰囲気を出したいなら地の文の比率を高めるといいでしょう。

親見さん
「ラブコメでは会話文を多くしよう」「戦記では地の文を増やそう」と考えていけばいいのですね!
上手に使えば、小説の読みやすさがグッと増す会話文の組み立て方については、以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてくださいませ。
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漢字とひらがな、カタカナのバランスがいい

読みやすい文章は「漢字3割、ひらがな7割」で構成されています。

親見さん
「漢字3割、ひらがな7割」をベースに文章を書けばいいのですね!

自分が書いた小説の漢字とひらがなの比率を知りたい方は、漢字使用率チェッカーを使うと良いです。

比率を確認して、重厚な雰囲気を出したい場合は漢字の割合を増やすなど、自作品に合わせて調整していくと理想の文章が出来上がります。

文章を読みやすくするためのテクニック

小説における読みやすい文章の定義がわかったところで、理想の文に近づくためのテクニックを紹介します。

親見さん
読みやすい小説に一歩でも近づけるように頑張ります!

文章表現に彩りを!

小説の醍醐味であり、一番難しいのが彩りのある表現に関するテクニックです。

比喩や暗喩を上手に使おう

比喩や暗喩は、描写したい風景や物事を、共通点のある他の物に置き換えて表現する技法です。

~のような、~みたいにという例えの表現が比喩に該当します。

比喩の例:
旅支度の大人たちのあいだを、まるで台所の床を走る二匹の鼠みたいに、二人でバタバタ駆け抜けた。乗るはずの蒸気機関車が、ホームの真ん中でちょうど動き出したところだった。一弥は振り返って、ヴィクトリカの手を引っ張った。彼女は金髪をなびかせて、小さな体で懸命に走っていた。ヴィクトリカの体を持ち上げるようにして乗せると自分も後から飛び乗った。
引用:GOSICK1巻より

僕が大好きな小説であるGOSICKの一部です。

駅のホームを一弥という少年とヴィクトリカという少女が、走っているシーンになります。

「まるで台所の床を走る二匹の鼠みたいに」

この比喩表現で、せわしなく走り回っている様子が目に浮かびますよね。

素晴らしい比喩や暗喩を目にした瞬間、目の前に作者の描く景色が浮かんだ――読書をしているとこんな経験が多いと思います。

的確な比喩や暗喩は文章を読みやすくしてくれるんです!

逆にわかりづらい比喩や暗喩は、「なにを表現しようとしてるのかな?」と読者が頭を悩ます種になります。

親見さん
比喩や暗喩表現は小説の花ですが、取り扱いが難しいですね。

オノマトペ

表現を豊かに、そして文章を読みやすくしてくれるのがオノマトペです。

ギラギラやイライラと言った効果音で物事を表現するテクニックですね。

オノマトペの例:
貴婦人の如く大威張りでお菓子を咀嚼するヴィクトリカが、ようやく満腹になると、一弥はまたトランクに荷物を詰めなおして、小さなヴィクトリカのぷくぷくした手を握りしめ、歩き出した。
引用:GOSICK5巻より

またまたGOSICKよりオノマトペの紹介です。

注目すべきは「ぷくぷくした手」ですね。

ぷくぷくという表現で、ヴィクトリカの手が子供っぽく肉付きがいいであろうとイメージができます。

親見さん
ぷくぷくという擬音だけで、そこまで表現できてしまうなんて、素晴らしいですね。

オノマトペは便利で強力な表現方法ですが、使いすぎると文章が軽く見えてしまいます。

擬音の使い方については、以下の記事で詳しく紹介していますので、よろしければ参考にしてくださいませ。

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文章を短くするテクニック

一文が長くなってしまうと、読者さんの負担が増えてしまいます。

一文を短くすることのできるテクニックを使って、読者さんに読みやすい文章をお届けしましょう!

削れる言葉は削ってしまう

不要な言葉が存在する文章は、読者さんにとって不必要な情報が盛り込まれた読みにくい文章です。

原文
文章を書くときに僕が苦労している点は、自分が書いた文章を読み返したときに「読者にとって読みやすいのだろうか?」という疑問を持ってしまうコトだ。
読み返して修正して行けばいいのだが、読みやすい文章になったのかわからない。
改善
自分が書いた文章を読み返したときに「読者にとって読みやすいのだろうか?」という疑問を持つ。
文章を修正しても、読みやすい文章になったのかわからない。

上記の文章の中心は、「読者にとって読みやすいのだろうか?」という疑問なので、僕が苦労しているという不要な情報は削り取ります。

親見さん
読者さんに渡す文章を最適化していく必要があるんですね。

「が」を削る

「が」のせいで文章が伸びてしまうケースはよくあります。

原文
気温が氷点下にまで下がり、真っ白な雪が積もった日の朝だが、体の調子が良い僕は外に出て散歩をしていた。
改善
気温が氷点下にまで下がり、真っ白な雪が積もった日の朝だ。体の調子が良い僕は外に出て散歩をしていた。

不要な「が」のない文章の方は、『朝に関する情報』と『僕に関する情報』に分かれています。

親見さん
情報を分割して読者さんに渡すと、理解しやすくなりますねぇ。

視覚的に入ってきやすいレイアウトを意識する

視覚的に読みやすい文章を意識すると、読者さんに喜ばれます。

親見さん
視覚的に読みやすい、なんて小説にあるんですね!

句読点の配置には気を配る

句読点を適切に配置することによって、読みやすい文章になります。

句読点の基本をばっちりおさえて、ミスなく扱えるようにしておくといいでしょう。

・句点(。)は、必ず文末に打つようにする。

原文
さらばだ。と彼は言った。
改善
さらばだ、と彼は言った。

上記のように、セリフの後にまだ文章が続くにもかかわらず、句点を打ってしまうケースがたまに見られます。

親見さん
注意が必要です!

・読点(、)は文章の分け目に打つと、効果大

原文
約束を守るため僕は高台へと向かった。
改善
約束をまもるため、僕は高台へと向かった。
親見さん
文章の切れ目に読点を打つと、意味が理解しやすくなりますね!

ひらがな同士の連結をできる限りなくす

ひらがな続きの文章は、読みづらくなるケースが多いです。

理由がない限りは、ひらがな、漢字、カタカナをバランスよく盛り込んだ書き方をおすすめします。

原文
ねこといぬはかわいい。
改善
猫と犬はカワイイ。
親見さん
単語の区切りがわかりやすいですね!

読者さんが読みやすいと思う小説を目指すためのトレーニング方法!

読者さんが読みやすい文章を目指すためのトレーニングをご紹介します。

それはズバリ

「いいな!」と思う文章を書く作家さんの作品を写経する

です。

このトレーニングでは、魅力的な文章表現ができる作家さんの技術を盗むことができます。

親見さん
自分が好きな作家さんに近づけるわけですね!

大好きな作家さんの文章の書き方は、積極的に学んでいきましょう!

読みやすい文章を目指す――参考になる書籍をご紹介

読みやすい文章の書き方は、世に出ている書籍から学ぶのが効率的です。

実際に僕が読んでみて、「これはおすすめできる!」と思えた本をご紹介しますよ~!

文章力の基本

文章の基本的な書き方がぎゅっと詰まった一冊です。

基礎から学びたい方には、おすすめできる書籍になっております。

僕が実際に読んだレビューは以下の記事にまとめていますので、参考にしてくださいませ。

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GOSICK

引用で何度も使わさせていただいた作品で、ぐいぐい引き込まれるような文章力で書かれた小説です。

人を魅了する比喩表現やオノマトペの使い方を知りたい作家さんにはぜひともおすすめしたい作品です。

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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

映像が脳内に浮かんでくる戦闘シーンを魅せてくれるのが、ダンまちです。

親見さん
戦闘シーンの書き方を学びたい方におすすめの作品なのですね!

序盤の最大の山場であるミノタウロスとの戦闘は、読みやすさと熱さを両立している貴重な場面であり必見です!


まとめ

読みやすい小説の書き方についてまとめました。

親見さん
読者さんが喜ぶような文章を書けるようになりたいものです。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

マヨナカログでは、他にも創作の役に立つ情報を発信していますので、よろしければ参考にしてくださいませ!

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