テンポの良い会話文は、読者さんを引き込む力があります。
プロの作家さんが書く会話は、キャラクターがイキイキとしゃべってる姿が見えてきますよね。
会話文は、小説の花形であり、腕の見せどころでもあります。
今回は、小説の会話文の使い方や、上手に書くためのテクニックをまとめていきます。
会話文の基本ルールを知っておこう!
読者さんを惹きつける会話文を書くには、前提としてルールを知っておく必要があります。
小説のお作法的な要素なので、「知ってるよー」という方は、この項目は読み飛ばしてくださいませ。
会話はかぎかっこ(「」)で囲む
当たり前と言えば当たり前ですが、会話文は基本的にかぎかっこ(「」)で囲みます。
読者さんは「」で囲まれているのを見て、「あ、キャラクターが話しているんだ!」と認識しますので、前提として覚えておきましょう!
かぎかっこの終わりには、句点(。)は付けない
かぎかっこ内の文章の末尾には、句点は付けません。
「甘味が足りないわ。紅茶には角砂糖を六個入れてちょうだい。」
【OK】
「甘味が足りないわ。紅茶には角砂糖を六個入れてちょうだい」
これも、小説のお作法の一つとして覚えておくと良いです。
会話文の頭にスペースはいらない
「」から始まる会話文には、スペースは必要ありません。
_「あたなは猫耳派かしら? 犬耳派かしら? ちなみに私は狐耳派」
【OK】
「あたなは猫耳派かしら? 犬耳派かしら? ちなみに私は狐耳派」
同じ人が連続でしゃべるのはNG
複数人のキャラクターがいて、会話が続くシーンは小説内にたくさん出てきます。
そのときに気を付ける必要があるのが、同じキャラクターが連続で話してはいけないというルールです。
猫耳少女「あたしはマタタビが欲しいにゃ」
猫耳少女「お前はなにが欲しいんだにゃ?」
犬耳少女「ティーボーンステーキがいいですね」
猫耳少女「贅沢なやつだにゃー」
猫耳少女「あたしはマタタビが欲しいにゃ。お前はなにが欲しいんだにゃ?」
犬耳少女「ティーボーンステーキがいいですね」
猫耳少女「贅沢なやつだにゃー」
『次回しゃべる人は、前回と違う人物である』というのは、小説における共通認識になってるので、押さえておきましょう!
小説の会話文の3タイプ! 目的に応じて使い分けよう
小説でキャラクターに会話させるのにも、目的があります。
①状況や設定を説明するための会話文
②物語を進行させるための会話文
③キャラクターを魅せるための会話文
なにをするためにキャラクター同士に会話をさせているのかを意識すると、読者さんに会話の意図が伝わりやすくなります。
①状況や設定を説明するための会話文
ファンタジーやSFなどでは、魔法や超技術の説明が必要になるシーンも多いです。
地の文でえんえんと説明しても良いのですが、それだと読者さんが飽きてしまいます。
そんなときに役立つのが会話文で、キャラクターに動きを出しながら設定を説明することができます。
新米冒険者の主人公が、ベテラン冒険者に魔法を教えるシーンがわかりやすいでしょう。
「はい、お師様!」
このように、会話を通して『マナを使って、魔法が使える』『マナは大気に満ちている』『呼吸によってマナを取り込める』等の設定をさらっと読者さんに伝えます。
状況や設定を説明するための会話文では、いかにわかりやすく読者さんに設定を伝えるかが重要になります。
②物語を進行させるための会話文
小説に書かれている会話文の大半は、物語を進行させるための会話になります。
・会話を通じてキャラクターが意思決定をする。変化をする。
物語を進行させるための会話を書くときには、これを意識して書くと良いです。
「それは違うわ。あなたには、人を救う力がある。ただ、恐れてるだけなの。戦うことを」
~略~
「こんな僕でも、人を救ってもいい。そう思うために、戦ってみるよ」
臆病な少年がヒロインとの会話を通じて、戦うことを決意する。
こんなシーンがわかりやすい例ですね。
何かをしようと決意したり、気持ちの変化を起こしたり、シーンごとにキャラクターがどうなるのかを意識して会話を作っていくと、物語の強力な起爆剤になってくれます。
③キャラクターを魅せるための会話文
キャラクターを魅せるための会話文には、物語の進行上の意味はありません。
読者さんにキャラクターを好きになってもらうために、個性あふれる会話をさせることが目的になります。
これは、神様のメモ帳の探偵役キャラクターがニートについて語るシーンです。
ニートに対する独特な解釈が、このキャラクターの味を引き出しているのがわかると思います。
作中のキャラクターが気になる、好きになる、そんな会話文を書ければ、この項目は大成功です。
読者さんが読みやすいと思う会話文の書き方
・一人称や話し方でキャラクターを差別化する
・表情や仕草の描写も入れる
ずばり、この2つが読みやすい会話に必要な要素です。
一人称や話し方でキャラクターを差別化する
一つのシーンに複数のキャラクターが登場して、各々が好き勝手に会話をする場合、話し手に特徴がなければ、誰がなにを話しているのかわからなくなります。
「おい、小僧。起きろ。俺が作ってやったご飯が冷めるだろ」
「なんだよ。俺はまだ眠いんだ」
「文句を言うなよ、小僧。俺たちは朝早く起きてんだ」
「私はもう眠いにゃー」
「さっさと寝てくださいわん。おいらはもう寝るわん」
「あたしはまだまだ起きているコン」
もし、一人称や口調が同じようなキャラクターを登場させる場合は、『~は言った』等を付けて、誰が話しているのかを認識できるようにすると良いです。
表情や仕草の描写も入れる
キャラクター同士の会話文のみで物語を進めていくのもありですが、それでは限界があります。
必要に応じて、キャラクターの表情や仕草を入れてあげることによって、読者さんは鮮明に絵ずらを想像できるようになります。
キャラクターが嬉しいという感情を持っているのはわかりますが、いまいち表情が伝わってきません。
少女は口角をめいいっぱいにあげて、にへらっと笑っていた。
これで、読者さんに少女の表情まで伝わります。
ただし、描写を入れすぎたら物語の進行のテンポが悪くなりますので、「ここぞ!」というところで書き込んでいくようにしましょう。
キャラクター同士の会話・かけあいが苦手! 面白い会話を書くための処方箋
会話やかけあいが苦手な方は、一定数いらっしゃいます。
そんな方に向けての処方箋は、以下の2つになります。
・他の人の会話を聞いて、メモを取ってみる
・気に入ったキャラクター同士の会話・かけあいを模写・声に出してみる。
結局、他の人やキャラクターが会話するのを見て、「なにが面白いと感じたんだろう」と考えるのが一番の近道です。
今のご時世、SNSがあるので、他人の何気ない会話を目にする機会は多いですから、ガンガンのぞき見していきましょう!
まとめ
小説の会話文の書き方についてまとめました。
・基本ルールは忠実に守る
・会話の目的を意識する
・読者さんが読みやすいように、キャラ付けや仕草も交える
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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