どんなプロットが人を惹きつけるんだろうか? これで合ってるんだろうか?
小説や漫画、はたまたゲームのシナリオを作る方ならば、必ず頭を悩ませる課題ですよね。
ボクも小説を書く人間の端くれとして、「人がおもしろいと思う物語はどう作るんだろう?」と悶々としています。
そんなお悩みに解決の糸口をくれる本が『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』です。
ボクも実際に愛読していて、この本には正直めちゃくちゃ助けられました。
というわけで、今回はSAVE THE CATの法則が「物語作りのなにに役に立つのか?」をまとめてレビューしていきますよ!
SAVE THE CATの法則の概要! 『売れる』フォーカスをした脚本術だよ
SAVE THE CATの法則はブレイク・スナイダーによって書かれた映画の脚本術です。
それが違うんですよね!
売れる物語の構成について深く語られた書籍であり、『面白い物語』作りの基礎がたっぷり詰まっています。
映画の脚本家に向けて書かれているようで、実は物語作りに関わる全クリエイターに役立つ内容になっているんですよね。
小説がメインの戦場であるボクにとっても、非常に有益な内容でした。
読まれる――の上を行く「売れる物語が何なのか?」について語られているので、中級者以上向けの中身になっていますね。
ですが、全体的にポップな文体で書かれているので、非常に読みやすいです。
SAVE THE CATの法則のココがすごい!
SAVE THE CATの法則は、8つのチャプターに内容がわかれているのですが、ボクはチャプター1~3の内容にめちゃくちゃお世話になっています。
新しい物語を作るときには、毎回ここの中身を見返しているくらいです。
なのでSAVE THE CATの法則の以下の3つのチャプターについて解説していきます。
チャプター①物語のコンセプト作りが大事
チャプター②物語の型を知れ!
チャプター③主人公を知り、ログラインを膨らませる
チャプター①物語のコンセプト作りが大事
SAVE THE CATのチャプター①の物語のコンセプト作りについて書かれており、正直これが一番「ああ、この本に出会えてよかった」と思えた箇所ですね。
「あなたが書こうとしているのは、どんな物語なの?」
これを一言でまとめるコンセプトを作るのがこの章です。
SAVE THE CATでも例に上がっていたログラインは、以下のようになっています。
・警官が別居中の妻に会いに来るが、妻の勤める会社のビルがテロリストに乗っ取られる。
・新婚ホヤホヤのカップルが、離婚した親のもとでクリスマスを過ごすことに……。
などですね!
これは物語の売り文句でもあり、一言で読み手に「おっ」と思わせる必要があります。
また、書き出し時点で『売り』となる要素を全面に押し出して、ストーリーの核を伝えるのにも使えます。
読者さんや編集者さんも暇ではありませんので、出会ってすぐに目を引けないと物語をなかなか手に取ってもらえません。
・皮肉を用意する
・イメージの広がりを作る
・衝撃を与えられるか考えられる
この3点が大事になります。
『パーティーを追放されたキャラクターが実は超優秀な能力を持っていて、パーティーが崩壊していく』みたいなコンセプトが一時期に流行したと思いますが、3つの観点で見返すと超良いコンセプトですよね。
チャプター②物語の型を知れ!
物語には、昔から好んで使われている型が存在しており、SAVE THE CATのチャプター2ではそれが語られています。
型にハマるのが嫌でも、人類が本能的に好む物語の型というのは知っておいて損はありません。
いわば料理のレシピを学ぶようなモノで、最初にチャーハンの作り方の基本を知ってから、自分なりのアレンジをしていけばよいので。
SAVE THE CATでは、10個の物語の型が紹介されています。
①家の中のモンスター
②金の羊毛
③魔法のランプ
④難題に直面した平凡な奴
⑤人生の節目
⑥バディとの友情
⑦なぜやったのか?
⑧バカの勝利
⑨組織のなかで
⑩スーパーヒーロー
物語の型の詳細については以下の記事で解説していますので、よろしければ覗いていってくださいませ!
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チャプター③主人公を知り、ログラインを膨らませる
SAVE THE CATのチャプター③では、主人公とログラインについて解説されています。
物語の主人公――それは、ログラインと一番深い部分で関わる存在です。
ここで解説されているのは、主人公の作りだしですね。
まずは、『主人公を描写する形容詞』を用意しましょう。
『ヤクザみたいな警官』とか『超潔癖症な殺人鬼』などですね。
それが終わった後に、ログラインと絡めて主人公の要素を膨らませていくのですが、以下を満たすようにすると良いです。
物語の中で一番葛藤し、感情の変化があり、受ける客層の幅も広い。
また、人間らしい原始的な目的があると読者からの共感が得られてなお良いです。
たとえば、女の子といちゃいちゃしたいとか。
いいや、違うね。物語作りにおいて、えっちなのはとてもいいことだ。
SAVE THE CATの法則はあのチェンソーマンの作者も愛読している!?
チェンソーマンの102話では、タイトルに『セーブザキャット』が付いています。
作者である藤本タツキさんは映画が好きで、SAVE THE CATの法則は元々映画の脚本術として書かれています。
あのチェンソーマンを作るときにこの書籍に書かれた法則が使われたかもしれない――のはけっこうすごいことですよね。
まとめ
SAVE THE CATの法則のレビューについてまとめました!
人を惹きつける物語のエッセンスがたっぷりと詰まっていて、物語の書き始めで「人を惹きつける作品を作るにはどうしたらいいだろう?」とつまづいた人におすすめしたい本です。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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