【小説用】ウマ娘から学ぶ熱い戦闘シーンの書き方!

小説で熱い戦闘シーンが書けなくて困ってる人は多いんじゃないでしょうか?

親見さん
戦闘のシーンがどうしても淡々としてしまうんですよね……。

熱い戦闘シーンを作るのに、必要な要素は大きく分けて2つです。

①キャラクターが熱い想いで臨む勝負の構図
②読者を引き込む戦闘シーンのテクニック

①の勝負の構図は戦闘シーンを書き出す前に考えておくことで、②の戦闘シーンの描写は実際に書いていくときのテクニックになります。

この2つを押さえれば、読者さんをグッと引き込める戦闘シーンが書けるようになります。

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①ウマ娘から学ぶ熱い勝負の構図の作り方

話は変わるんですが、みなさん、ウマ娘やってますか? 見てますか?

ボクはやっています、見ています。

自作の小説にほぼ必ず登場させるくらいボクっ娘が大好きなボクは、アニメでトーカイテイオーと出会って即堕ちました。

親見さん
タイトルにある戦闘シーンの書き方はどこにいったんですか!? ウマ娘関係あります?

あるんですよ!

小説の戦闘シーンの大きな問題点の1つに、漫画やアニメと比べて、視覚的な情報量が少なくなりがちだということがあります。

この制約に悩まされている人は多いと思います。

親見さん
文章は文章でとってもいいとこはたくさんあるんですけど、戦闘シーンは難しいですよね……。

ここで思い出してください。

ウマ娘における戦闘シーンは、レースでの対決ですよね。

ウマ娘の対決シーンは、言ってしまえば走るだけです。(もちろん、競争や表情の描写は迫力があって素晴らしいけど)

親見さん
あ!

かっこいい剣技や魔法があるわけでも、とんでもない化け物が出てきて暴れまわるわけでもないんです!

勝負の駆け引きなんかも少な目です。

バトルシーンの情報量でいえば、実はすごく少ないんですよね!

それなのに、胸が熱くなって、高揚感を覚えませんか?

まず、前提として、熱い戦闘シーンに必要なのは、かっこいい描写だけではないんです。

「想い」と「勝負の構図」

これが超重要です。

なぜ、この要素が大事なのかをウマ娘シーズン2(トーカイテイオー贔屓)から考察していきます。

・視覚的に派手なアクションに頼らずとも、熱い戦闘シーンを作り上げるコツ
・人が熱くなる戦闘の仕組み

ウマ娘には、コレらの要素がたっぷりと詰まってるんですよ!

わずかにネタバレ要素がありますので、もし気になる方は、amazonプライムでパパーっと見てくるのがいいですよ!

戦闘シーンの動作が走るのみなのに、どうして熱くなれるんだろう?

これを考えながら、ウマ娘を見るだけでも相当勉強になります。

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ウマ娘から学ぶ熱い戦闘シーンの作り方

参考にするバトルシーン(レース)は、ライバル同士であるテイオーとマックイーンがぶつかり合う春の天皇賞にします。

親見さん
レース中は、負けるなー! 終わった後は、ドバドバ泣いちゃいました……。間違いなく名レースですね。

トーカイテイオーとメジロマックイーンがレースで競い合って、テイオーが負ける。

結果だけ文章でまとめるなら、こうです。

結果のみで熱い戦闘シーンだったと、感動できる人はいませんよね!

すでに見ている方ならわかると思うんですが、レース中にマックイーンに追いすがるテイオーを見ては「うぉおおおおお!」、レースを見終わった後、しゅんとするテイオーを見て胸がきゅっと熱くなりますよね。

「うぉおおおおお!」&きゅっとなる感情の動きが、熱い戦闘シーンの秘密であり、人が「面白い」と感じる条件なんですよね。

この感情の揺れ動きを生むのが、キャラクターの想いと勝負の構図です。

見る人にも届くキャラクターの想い!

ウマ娘を見ている人は、なぜテイオーにレースで負けてほしくないと思えるのか。

そして、負けた後に自分事のように悲しく思えるのか。

それは、レースに至るまでの過程があったからです。

トーカイテイオーは春の天皇賞に至るまでに、ケガをして自分の最初の夢であった「三冠ウマ娘」をあきらめています。

紆余曲折あり、ケガから再起して次は「無敗のウマ娘」を志して春の天皇賞に挑んでいるんです。

もし、天皇賞で負けてしまったら、二度目の夢の破壊が起こっちゃうんですよね。

親見さん
テイオーさんにとって、春の天皇賞は絶対に負けられない戦いになるわけですね。

トーカイテイオーの「想い」を知っているからこそ、視聴者は「負けるなテイオー!」と思えるわけです。

魅力的なライバルと作り出す勝負の構図!

トーカイテイオーのライバルであるマックイーンは天皇賞の連覇を目指しており、負けられない理由があります。

なんなら主人公のテイオーよりも、マックイーンを応援していた人もいるんじゃないでしょうか?

そのくらいライバルであるマックイーンも魅力的なんですよね。

魅力的な二人がぶつかり合うという単純ながら美しい「構図」が、いいんですよね!

キャラクターの想いと勝負の構図が生み出す熱い戦闘シーンは、制作陣が狙って作っている!

キャラクターの想い勝負の構図が重なり合った結果として、春の天皇賞は最高に熱い戦闘シーンになりました。

トレーナーが「負けるなテイオー! 負けるなマックイーン!」とどちらも勝って欲しい、どちらも負けて欲しくないと応援するシーンがあります。

このセリフから、アニメの制作陣が以下の視聴者心理を狙っていたことが読み取れます。

アニメの制作陣が狙っていたレース中の視聴者心理
・トーカイテイオーとメジロマックイーンのどちらが勝つかわからないドキドキはらはら。
・トーカイテイオーとメジロマックイーン、どっちにも勝ってほしいと願ってしまう。

まさに視聴者の心を代弁している言葉であり、制作陣が「視聴者さんがこんな気持ちになることを狙っているよ」という証拠でもあります。

親見さん
見事にハマってしまいました!

読者(視聴者)を狙い通りの気持ちに導くためには、「想い」と「勝負の構図」が重要なんですよね! 

この要点2つを押さえた「過程」を書くことで、勝負時に主人公の想いの爆発と一緒に、視聴者の感情が盛り上がります。

想いの爆発がなければ描写が素晴らしいバトルシーンであっても、読者は盛り上がるのが難しいでしょう。

たとえば、天皇賞春のレースシーンを過程抜きで見せられたら、「走りの迫力があるよね!」くらいにしか感じないでしょう。

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小説でも熱い戦闘シーンは実現可能!

熱い戦闘シーンには「想い」「勝負の構図」が大事だと書きました。

この2点を描くことにおいて、小説はアニメや漫画に引けを取りません。

トーカイテイオーは「三冠ウマ娘」の夢をあきらめるという挫折を乗り越えて、レースに臨みました。

自分が描く小説の主人公には存分に試練を与えて、乗り越えさせましょう。

ライバルであるメジロマックイーンは、天皇賞の連覇を目指しており、テイオーにも負けないくらい強い気持ちを持っています。

主人公と同じくらいキラキラしたライバルを作って、主人公と同じくらい負けたくないと思えるキャラクターを作りましょう!

戦闘シーンを書く上で大事なのはかっこいい描写をすることだけではなく、そこに至る過程。

「想い」と「勝負の構図」です!

②読者を引き込むバトル・アクションシーンのテクニック

魅力的な戦闘の構図を作れているだけでも、十分に読者さんを引き込めます。

ですが、どうせ書くなら、戦闘描写などのテクニック的な面からも読者さんを作品の世界に引き込みたいですよね!

そこで、小説のバトル・アクションシーンの作成で使えるテクニックについて解説していきます。

バトルシーンの解像度を徐々に高めていく

すでに魅力的な勝負の構図はできていると思います。

なので、戦いがどのように進行していくのかを決めていきましょう。

まず作成するのは、シーン単位で起承転結が完結したプロットです。

①でも取り扱ったテイオーとマックイーンが戦った春の天皇賞を起承転結で書き出してみます。

起:トーカイテイオーとマックイーンのレースがはじまる。序盤は、終始マックイーンのリードで進む。
承:トーカイテイオーがスパートをかけて、マックイーンの背中に迫る。
転:マックイーンの方に距離適性があり、トーカイテイオーを突き放す。
結:マックイーンの勝利。テイオーは夢が破れたモノの、マックイーンの勝利を祝福する。

起承転結が決まったら、後は戦闘中の心の動きや駆け引きを盛り込んでいきます。

親見さん
じょじょにバトルシーンの解像度を高めていくんですね!

戦闘描写で緩急を出す文章テクニック

文章の描写のやり方で、戦闘に緩急を出す方法がありますので、いくつか手法を紹介させていただきます。

親見さん
※魅力的な文章で読者さんを引き込みたいです!
本項目では、戦闘シーン向けの描写についての解説になりますが、基本となる文章の書き方は、以下の記事にありますので参考にしてみてくださいませ!
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また、キャラクターの描写については、以下の記事を読んでくださいませ~!
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継続する動きと細かい動きを意識しよう

シーンの中で継続する動きと、細かい動きを意識して、配分すると戦闘に緩急が生まれます。

親見さん
継続する動きと細かい動きの違いはなんでしょうか?
継続する動き
・化け物の触手を躱しながら、マヒロは剣を振り続ける。
・二つの刃の軌跡が咲き乱れる。戦場に鋼鉄を打ち合う音が鳴り響いた。

戦ってる二人を高い視点からカメラで撮るようなイメージで、どのように戦いが進行しているか、大きな動きで描写をします。

細かい動き
・アギトは右足をめいいっぱい踏み込んで、刃を握った右手に力を込めた。体を捻ることによって得た力を腕へ、腕から手へ、そして、刃へと伝達する。放たれたのは、必殺の一撃だった。

細かい動きは、遠くにあったカメラを特定のキャラクターに引き寄せて、詳細な描写を行います。

これは、必殺の一撃等、読者さんに注目して欲しいところで使います。

基本的に継続する動きで、戦闘の大きな流れを描写して、「ここだ!」というシーンで細かい動きを入れると、読者さんが「おっ!」となるので使ってみてくださいませ~。

文章の長さは短くするとテンポがよくなる

文章は短い方がテンポがよくなります。

 英雄になりたいって。
 コイツを倒せる英雄になりたいって。
 弱い自分だって奮い起こしてみせる、強い英雄みたいな男になりたいって、初めて心から思った。
 僕は。
 英雄に、なりたい。
引用:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか3

ダンまちの主人公であるベルくんが、戦闘中に決心をかためるシーンです。

親見さん
文章が短く区切られているからテンポよくて、かつベルさんの決心が痛いくらい伝わってきます。

短めの文章は、迫力も出せますので、上手に活用していきましょう!

擬音語や三点リーダー、ダッシュ記号を上手に活用しよう!

擬音や三点リーダー、ダッシュ記号を上手に活用すると、以下の効能があります。

・文章を短くまとめられる。
・意図的に間を作り出せて、緊張感が生まれる。

 黒スーツの男は低く笑った。
 それから無言のうちに……胸ポケットからちいさななにかを取り出すと……ギョッとするほどおおきな音を立てて置いた
 コトン!
 ……銃弾だった。
引用:GOSICK RED

親見さん
三点リーダーで間を取った後に、「コトン!」の擬音があると、緩急が出ますねぇ。

体言止めを上手に活用する

体言止めは、文章の末尾を名詞や代名詞で止める手法です。

体言止めの例文
・炎をまとった刃の一閃。
・宵闇の中からの襲撃。

体言止めを使うことで、文章に余韻とリズムが生まれます。

ただし、省略された文章は、読者さんが頭で補うことになりますので、使いすぎると読者さんは疲れてしまいます。

用法容量はお守りください!

戦闘シーンを書く際に、参考になるおすすめ小説をご紹介!

ウマ娘から熱い戦闘シーンの構図を学べたように、バトルの執筆力を上げるには、戦闘シーンが魅力的な作品から学ぶのが一番です。

おすすめ小説をグッと厳選して紹介させていただきます。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか

引用でも紹介させていただいた王道のファンタジー小説『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』です。


剣と魔法を交えたお手本のような戦闘描写で、勉強になることがたくさんある作品です!

主人公――ベルくんの成長を通して、困難を打ち砕いていくのは、爽快の一言に尽きます。

親見さん
王道ファンタジーを書きたい人は必見ですね!

銀河英雄伝説

『銀河英雄伝説』、大きな視点での戦いが特徴的なSF小説です。


本作では指揮官となる人間が、宇宙船群を指揮して戦闘を行います。

人の身一つで完結する戦いではなく、広い視野を持った戦いを描きたい方には、ぜひ一読して欲しい本です。

親見さん
大規模な戦闘はロマンに溢れています!

とある魔術の禁書目録

『とある魔術の禁書目録』は、無能力者である上条が強力な異能力者たちと戦いを繰り広げる作品です。


異能を使った駆け引きが魅力となっています。

科学・魔法の異能が入り乱れており、一冊で二度おいしい作品ですよ~!

親見さん
魅力的な異能を作る参考にもなる作品ですね!

まとめ

熱い戦闘シーンの書き方をまとめました。

①魅力的な勝負の構図を作る
②執筆の際のテクニックで魅せる

熱い戦闘シーンを書くためには、かっこいい描写をするだけではなく、そこに至るまでの過程と構図を重視して、バトル時に主人公の想いを爆発させましょう!

小説の上達には、アウトプットだけでなく、インプットも大事なので、有名どころの物語はガンガン見て、ガシガシ学んでいきましょう!

学ぶという意味で、みなさまのおすすめの作品があれば、ぜひボクにも教えてほしいです。

マヨナカログでは他にも創作の参考になる作品を取り扱っていますので、よろしければ読んでいってくださいませ!

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