書籍『物語の法則』は小説のプロット、キャラクター作りに超有用!

クリエイターならば1度は読んでおきたい書籍として、『物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』を紹介します。

創作におけるディープな理論や心構えが本書籍にはたっぷりと詰まっています。

この書籍は映画や小説にまつわる創作理論をまとめた書籍であり、映画「アイアンマン」の脚本家も絶賛する名著です。

親見さん
クリエイターのためにある本なのですね!


書籍のタイトルにあるように、特にキャラクターとプロット作成において強力なツールになります。

僕は実際に読んでみて、物語やキャラクターの型を学べて非常に勉強になりました。

だから、是非紹介したい!

こんな人におすすめの書籍
・魅力的なキャラクターやプロット作りのコツを学びたい方
・物語やキャラクターの原型(アーキタイプ)を知りたい方
・プロット、キャラクター作りに行き詰まった方

『物語の法則』から学んだ創作のコツを、プロットとキャラクターの2つの観点からご紹介したいと思います。

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『物語の法則』から学ぶプロット作り

『物語の法則』では、古来から続くすべての物語に共通するプロットの型や、シーンごとに何を書くべきかについて言及されています。

僕が特に勉強になった個所を順にピックアップしてご紹介します。

英雄の旅路(ヒーローズ・ジャーニー)

まず最初にご紹介するのは英雄の旅路です。

親見さん
英雄の旅路ですか! なんだかかっこいいです!

英雄の旅路は、アメリカ人研究者のジョーゼフ・キャンベルが解明した語りのパターンです。

芝居、物語、神話等々に登場する主人公――すなわち英雄(ヒーロー)が織りなす古代から続く物語の型です。

起承転結のさらに踏み込んだ版と思ってくだされば問題ありません。

昔から人類が好んで使っている物語の型の一つなので知っていて損はないですよ!

英雄の旅路の概要
①日常生活
英雄は悶々とした日々を送っている。
②冒険への誘い
ある日突然、新しい世界への冒険に誘われる。
③冒険の拒否
主人公は誘いを拒否する。
④賢者との出会い
新しい世界の住民である師との出会い。
⑤戸口の通過
新しい世界へと英雄が踏み込む。
⑥試練、仲間、敵
新しい世界で試練、仲間、敵と遭遇。
⑦最も危険な場所への接近
最大の敵が潜む場所へと向かう。
⑧最大の試練
最大の敵との対峙。
⑨報酬
英雄は最大の敵と戦った報酬を得る。
⑩帰路
報酬を持って、元の世界へと帰還。
⑪復活
帰還中にもう一度試練に会う。
⑫宝を持っての帰還
今度こそ報酬を持って、英雄は元の世界へと戻る。

自分が知っている物語を思い返して当てはめてみると、案外この型が当てはまっているなとわかるはずです。

最近の作品ですと、映画版『呪術廻戦0』がキレイに英雄の旅路に沿っていますね。

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契約と取引

『物語の法則』では、物語は契約と取引で成り立っていると言っています。

親見さん
面白い表現ですね!

ストーリーは観客との契約そのもの

観客との契約というワードが、僕は『物語の法則』の中でもっとも好きです。

「観客との契約」は物語を読んでもらう際の心構えです。

クリエイターは観客にこう提案します。

「観客の金銭、時間をもらう代わりに、それ以上に価値のある物語を見せるよ。だから、自分だけに注目してくれ!」

観客がオーケーを言えば、契約が締結されるわけです。

契約だからクリエイターは観客を楽しませる義務がある――そんな考え方です。

親見さん
たしかに……。小説でも読者さんの貴重なお時間やお金をいただいてますもんね。肝に銘じておきます!

プロット作りとは直接関係ないのですが、創作の際の心構えとして紹介させていただきました。

シーンは”ビジネス取引”

とあるストーリー編集者が「シーンというのは”ビジネス取引”」の場であると言いました。

親見さん
いまいち要領を得ませんね。

これは、キャラクターの間での交わされる取引です。

・敵対するキャラクターが仕方なく手を組むような取引を交わす。
・主人公がヒロインをデートに誘って、ヒロインがその取引に乗るか否か

取引にまつわる交渉を含めて、1つのシーンが成り立っているという考え方です。

シーンは取引であるという考えを取り込むメリット以下の2つです。

・意味のないシーンを書かなくなる。
・シーンの終わりが明確になる。

シーンのすべてが取引であるという考えを取り入れれば、どのシーンでもキャラクター間の変化が起きます。

親見さん
ついつい意味のないシーンを物語中にいれてしまう――がなくなるのですね!

全体として流れの途絶えない物語になること間違いなしです。

また、シーンごとの着地点も明確になります。

取引が終了した時点で、そのシーンは終わりを迎えます。

主人公がヒロインをデートに誘うシーンならば、ヒロインがそれを受け入れた時点で取引が――すなわちシーンが終了します。

親見さん
シーン単位でも引き締まった物語になりそうですね!

『物語の法則』から学ぶキャラクター作り

『物語の法則』ではキャラクターの原型についても深く触れられています。

起承転結や英雄の旅路のような物語の型が強力なツールであるように、キャラクターの型も創作の便利な道具になります。

親見さん
知っておいて損はないわけですね!

キャラクターの代数方程式

物語のキャラクターを構成する要素をご存じでしょうか?

『物語の法則』では、キャラクターは以下の等式で成り立つとしています。

キャラクター=①求めるもの+②動き+③障害+④選択

構成要素がなにを意味するか、順に解説していきます。

①求めるもの

物語は誰かがなにかを欲することで動き出します。

キャラクターが動機や欲求を持ってこその物語なので、物語を構成するキャラクターには必須の要素になるんです。

求めるものはなんでもよくて、富や権力、財宝、果ては伝説の剣などなどです。

②動き

キャラクターが求めるものを手に入れるための努力が動きですね。

伝説の剣を求めてダンジョンに潜るのであれば、力を付けるための修行が必要でしょう。

求めるものにキャラクターが動き出すことで、物語に大きな影響を与えて行くんです。

③障害

主人公と求めるものの間に立ちはだかる障害も、キャラクターの構成要素の1つです。

わかりやすい例で言えば、伝説の剣を守る竜ですね。

このような外的要因すらもキャラクターの構成要素の1つなんです。

④選択

主人公が求めるものを阻む障害にぶち当たったとき、選択を迫られます。

その選択が主人公のキャラクターを決定づけるのです。

伝説の剣を守る竜と正々堂々戦うか、竜が寝ている間にこっそり盗んでいくか、はたまた竜と対話して剣をゆずってもらうか。

主人公の選択でキャラクターが見えてきませんか?

親見さん
正々堂々と戦う主人公は勇者っぽくて、盗むのは盗賊っぽいです! 対話するタイプの主人公は平和主義な方そうですね!

このように、選択が主人公を形作っていきます。

親見さん
キャラクターと言えば、デザインだったり、性格だったり、そういった要素が意識されがちですよね。
親見さん
でも、『物語の法則』ではキャラクターと物語の関係性にも重きを置いてるわけですか!

『物語の法則』のキャラクター作りに関する記述を読んだ際に、僕が衝撃を受けたポイントですね。

物語が先にあって、キャラクターは後から付いてくる。

これは1つの参考になる考え方です。

キャラクターの類型

かのアリストテレスの弟子――テオプラストスがキャラクターの類型を提示しました。

彼はアテネの広場や市場で人々を観察して、人間を型に落とし込んできました。

この類型が小説にも活用できる便利なツールなのでご紹介します。

テオプラストスが上げた類型には以下のようなモノがあります。

皮肉屋:ミスター偽善者。二面性があり、思っていることは決して言わない。
恥知らず:度胸がある。金を払わずに催しに潜り込んだり、ケーキに指を突っ込んだりするのを恥ずかしいと思わない。
へそまがり:恨みがましく、クズ置き場の野良犬のようにうなっている。
親見さん
ひ、人の悪い面ばかりですね?

その通りでキャラクターの悪い側面が羅列されています。

悪い面でもキャラクターの種であるのには変わりありません。

テオプラストスの類型の特徴をいくつか組み合わせてキャラクターを作ると、一面的ではなく現実味のあるキャラクターが作れます。

ちなみに、テオプラストスの書籍は日本語版で出版されていますので、ご紹介しておきます。


まとめ

小説のプロットやキャラクター作りに使えるエッセンスがぎゅっと詰まった『物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』についてまとめました。


今回ご紹介したのは、本書籍のほんの一部です。

物語を構成するプロットとキャラクターの作り方が、山のように書かれていますので読んでみてくださいませ!

本サイトでは他にも創作に役立つ情報を扱ってますので、もしよろしければ読んでいってください。

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