書籍『物語を書く人のための推敲入門』をレビュー!|誰も教えてくれなかった推敲のノウハウ

  • 2022年3月18日
  • 2022年5月30日
  • 小説

文章の書き方やキャラクターの作り方、プロットの練り方……これらを教えてくれる人は多いですが、推敲について語ってくれる人は少ないです。

親見さん
小説の推敲は大事な過程なのですが、情報があまりにも少ないんですよね……。

推敲のやり方に迷っていて、体系的に学べる方法を知りたい!

僕もそう思ってネットを漁り、一冊の本に辿りつきました。

それが『物語を書く人のための推敲入門』です!


「誤字・脱字を直そう」というレベルのお話ではなく、物語の前提・構成レベルでの推敲のやり方がディープに語られています。

親見さん
推敲に特化した書籍なのですね! 珍しいです!

『物語を書く人のための推敲入門』を実際に読んできましたので、レビューさせていただきます。

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推敲のための書籍だけど、物語を書き始める前から知りたかった……!

『物語を書く人のための推敲入門』推敲のために書かれた本です。

・推敲に対する心構え
・読者を惹きつける前提があるのか?
・物語の起伏は存在するか?
             等々語られている

本作は、「一から書き直す」ような作り替えすらもいとわないスタンスでいます。

推敲を通してコンセプト・前提、コアストーリーが弱いと判断された場合だと、修正・修復を超えて物語を作り替えることもあります。

親見さん
物語の根本部分から直してしまうのですね!

なので、プロットを作成する時点で知っておきたい推敲の観点が盛沢山でした。

親見さん
はじめから知っておけば、それに則って創作活動ができますからね。
本書は推敲本でありながらも、創作論が盛り込まれた書籍でもあります。

内容は中級者~上級者さん向け。出版に値する作品にするための推敲を!

『物語を書く人のための推敲入門』はエージェントに売り込んで小説を出版するための推敲の方法が、がっつり語られた書籍です。

95%以上のエージェントの目に止まらない作品を、推敲によって出版に値する作品に直そうという思想の元でできています。

そのためプロ志向が強く、内容は中級者~上級者さん向けの内容でした。

親見さん
濃い内容になっているんですね!

ストーリーの要素から自作品を評価する!

『物語を書く人のための推敲入門』では、以下の12の視点から作品をA~Fで評価します。

1.コンセプト
2.ドラマの前提/起伏(主人公の探求と目的)
3.ドラマの緊張感(対立要素による衝突・葛藤)
4.読者の疑似体験
5.吸引力のある人物像
6.読者の感情移入
7.テーマの重み・妥当性・共鳴
8.効果的なストーリーの組み立て(構成)
9.最適なペース配分
10.シーンの完成度
11.文体
12.語りの戦略

作品を出版するには、すべての項目がB以上の評価になる必要があります。

本書曰く、1つでもCがあれば、出版社からは見向きもされない作品になるんです。

親見さん
き、厳しいですね!

小説の出版は「0か1か」であり、「小説が絶対に売れるか、売れないか」でエージェントさんが判断しているためですね。

さて、最初はざっくりとした個人の体感で、自作品を12の観点から評価を行ってみましょう。

親見さん
おやおや? 体感でいいのですか?

正確な評価の尺度は、『物語を書く人のための推敲入門』で、定義・基準・説明・具体例から学んでいきます。

ですが、最初に知識がない状態で自己評価してみることも大事な作業のようです。

学んだ前後のギャップを認識し、「ストーリー感覚」を養っていくという意味があります。

また、当然ながらC以下の評価を下した項目を推敲によってどうやって修正していくかも、本書では語られています。

親見さん
読んでからのお楽しみってやつですか!

推敲の例:前提の強化

本書で語られている推敲の例について、ほんの一部にはなりますがご紹介いたします。

今回ご紹介するのは、前提の強化についてです。

そもそも物語の前提とは?

親見さん
そもそも前提とは、なにを指すのでしょうか?

前提は、主人公が対面する問題に対する行動の要約です。

いわば予告編のストーリー、あらすじのおいしい部分だけの要約となっています。

前提の目標は、物語への吸引力を生むこととだけ今は覚えておいてくださいませ。

次にメリットを解説します。

強力な前提を用意するメリット

強力な前提が用意できれば、以下の2つのメリットがあります。

・強力な売り文句を用意できる
・ストーリー展開のベースとして機能する

山のようにある物語の中で、エージェントや読者さんの手に取ってもらいやすくなるんです。

親見さん
エージェントや読者さんを惹きつける吸引力が生まれるんですね! これがあれば、たしかに出版に一歩近づきそうです!

自作品の前提を作り出して、推敲してみよう!

自作品の前提を以下の視点に沿って推敲していきます。

・前提で主人公が紹介されて、人物や場面が面白いと思える内容になっているか?
・主人公の旅の一場面がわかるようになっているか?
・ドラマ性――対立状況や障害が存在するか?
・主人公がするべきことが提示されているか?

推敲してみて、不足している部分があれば適時修正をしていけば、魅力的な前提が完成します。

それが、読者さんやエージェントさんの本を開かせる力になり得ます。

推敲は厳しい真実を見せつけてくる

『物語を書く人のための推敲入門』を読んで推敲について学んでいくと、今まで誰も指摘してくれなかった真実が見えるようになってくる可能性があります。

「自分の作品のアイデアが泥のように退屈で、死体同然のモノだ」という真実です。

親見さん
て、手厳しい……。絶望を感じます。

ただし、これがわければ儲けもので、自作品を適切に評価できる感性やダメだったポイントが見えてきたというわけなんです。

親見さん
この痛み、前に進んでいるからこそなのですね!

推敲の絶望の中で希望を紡いでいきましょう。

まとめ

推敲の専門書ともいえる『物語を書く人のための推敲入門』についてのレビューでした。

推敲の観点から、具体的な手順まで幅広く触れられている本書。

推敲のやり方で行き詰ってしまったら、ぜひ一度読んでみることをおすすめします!

最後まで読んでくださりありがとうございました。

本サイトでは、他にも創作に役立つ情報を紹介していますのでよろしければ読んでいってくださいませ!

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