小説の文章作法をすべて把握するのは大変ですよね。
長い間小説と関わってきたボクですが、たくさんある文章作法をすべておぼえている自信はありません。
ただ、絶対に間違えてはいけないモノ、間違っていたら読者さんの目につくモノは理解しているつもりです。
読者さんが「ん?」と思ってしまう文章は、物語の理解を邪魔してしまいます。
結果、本を放り投げて離れてしまうコトもあり得ます。
今回は、絶対に押さえておくべき文章作法を8個厳選して紹介しようと思います。
はじめて小説と向き合う方でしたら、この記事で紹介する文章作法をおぼえて執筆に臨めば大丈夫です。
細かい作法は、書き始めてから「もっと読みやすい文章を書きたい!」と、思ってからで遅くはありません。
絶対に押さえておくべき小説の文章作法【ルール編】
この章では、小説を書く上で守らないといけない文章作法を5個まとめています。
ルールなので、基本的に守らないとダメな項目です。(意図的に破る場合もありますが、おすすめはしません)
①字下げをしよう
②3点リーダーとダッシュは、偶数で
③疑問符、感嘆符の後にはスペース1つ
④「」の終わりには、句読点をつけない
⑤漢数字と算数字は使い分けよう
①字下げをしよう
小説では、改行したときに字下げを行います。
ただし、「」と()が文頭にくるケースは例外で、字下げは必要ありません。
PCでは文章の最初にスペースキーで全角の空白を入れることで字下げができます。
␣ボクは星空の下でたき火を眺めていた。
␣燃えているまきを火ばさみでつつくと、バチッ! と大きな音がする。
「うわっ!?」
␣ボクは体をのけぞらせた。
(びっくりした……)
上の文章のように、「」と()以外は、全角の空白を1文字入れればオッケーですん!
②3点リーダーとダッシュは、偶数で
3点リーダー(…)とダッシュ(―)は偶数個で使う必要があります。
これも、小説を書く上で大事な文章作法なので、ばっちりがっちりおぼえておきましょう!
「ああ……ボクは死ぬのか」
「いえ――あなたは死にません! 死なせません――――!」
ちなみに、ツイッターやラインで3点リーダーをわざわざ偶数打ちする方は、大体作家さん。これマメ知識です。
③疑問符、感嘆符の後には空白を1つ
小説において、「!」や「?」の後にはかならず全角の空白を入れる作法があります。
ただし、「」や()の文末、「!」「?」を重ねるときだけは例外です。
「2度と!␣逆らうんじゃ!␣ねえぞ!!!!????」
SNSで疑問符、感嘆符の後ろにわざわざスペースを入れる方も、小説を書いている方が多いですね、はい。
④「」の終わりには、句読点をつけない
句読点(、や。のこと)は、「」や()の文末につけないルールになっています。
NG
「まずいですよ。」
(まずいですか。)
OK
「いいですよ」
(いいですか)
⑤漢数字と算数字は使い分けよう
小説には、縦書きと横書きが存在します。
縦書きの場合には、123のような算数字を使い、横書きの場合には、一二三のような漢数字を使いましょう。
横書きの場合だと、一(いちを書いています)とー(長音符を書いています)が見分けつきませんよね。
絶対に押さえておくべき小説の文章作法【書き方編】
この章では、読んでいてどうしても目についてしまう、読書を妨げてしまう書き方を3個まとめています。
①二重表現に注意しよう
②文章に統一感を出そう
③難しい言葉は使わないようにしよう
①二重表現に注意しよう
頭痛が痛い。
これが二重表現です。
頭痛で頭が痛いことをすでに言っているのに、痛いを重ねてしまう。
このような表現は、読者さんをもやっとさせてしまうので、気をつけた方がいいです。
とは言っても、ボクもいまだにやりがちなんですけどね!
②文章に統一感を出そう
これもやりがちで、読者さんに違和感を与えてしまう例ですね。
ボクはイスのそばに立った。そこで、彼女に椅子に座るように促した。
「イス」と書いた後に、「椅子」と書く。
特別な理由がない限りは、イスで統一したほうが無難です。
長文になればなるほど、言葉の管理が難しくなりますが、出来る限り統一感を保つようにしましょう。
その方が、読者さんにとって読みやすいです。
③難しい言葉は使わないようにしよう
難しい言葉には、主に2種類あると考えています。
難解漢字と横文字です。
以下は、難解漢字の例です。
ボクはさんさんと輝く太陽に辟易していた。
ボクはさんさんと輝く太陽にうんざりしていた。
読者さんが辟易の意味を理解していればいいですが、そうでない場合読書の進行を邪魔してしまいます。
難しい言葉は、できるだけかみ砕いて伝えた方がいいでしょう。
横文字に関して、例を挙げるとすればビジネス用語です。
あの人にアサインしといて。
知らない人は「は?」となります。
あの人に割り当てといて。
この言い方なら、誰でもわかります。
自分が理解している言葉を他人が必ずしも理解しているとは限らない!
これをおぼえておくといいですね。
小説は多くの人に贈るモノなので、専門用語や難解漢字、横文字は避けた方が無難です。
まとめ
絶対におぼえておくべき小説の文章作法についてまとめました。
最低限の作法をおぼえておけば、「この作品、ちょっぴり読みにくいから読むのをやめよう」となることはなくなります!
みなさまの創作活動が楽しいモノになるよう祈っています。
このブログでは、他にも創作活動の役にたつ情報が数多くありますので、もしよろしければ読んでいってください!
小説で熱い戦闘シーンが書けなくて困ってる人は多いんじゃないでしょうか? 親見さん 戦闘のシーンがどうしても淡々としてしまうんですよね……。 熱い戦闘シーンを作るのに、必要な要素は大きく分けて2つです。 ①キャ[…]
親見さん 魅力的な文章ってなんなのでしょうか……? 小説を書く人にとって、一生悩める命題の1つです。 もはや、哲学の領域。 魅力的な文章――この解答は複数あると思います。 そのすべてを網羅することは[…]
・記事のナビゲイター:親見 心(おやみ こころ)
↓↓ナビゲイターの登場作品はこちら!↓↓