【ライトノベル紹介】綾里けいし様のB.A.D.――僕の性癖を破壊した超名作!

こんばんは! マヨナカログのつくよみです。

創作のレベルアップに繋がる作品として、綾里けいし様作の【B.A.D.(Beyond Another Darkness)】を紹介させていただきます。

みなさんには、キャラクターの好みに偏りがありますか?

親見さん
私は、もちろんあります!

今回は、それを性癖としましょう。

親見さん
言い方……。

その性癖を破壊され、塗り替えられた経験はありますか?

ボクはあります!

読者の性癖を破壊するほど強烈なキャラクターはどのように生まれるのか?

本記事では、それを綾里けいし様のB.A.D.から学んでいきます。

あ、ネタバレはありませんので、ご安心してお読みください。

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B.A.D.の概要

B.A.D.は、綾里けいし様作の「残酷に切なく、醜悪に美しいミステリアス・ファンタジー」です!

舞台は、異能な存在が静かに存在する現代。

傲慢で冷酷で我が儘な偏食家――繭墨あざかが、娯楽を求めて怪事件を次々と解いていく物語になっています!

親見さん
「残酷に切なく、醜悪に美しい」のキャッチフレーズが気になりますね!
メインキャラクター①
繭墨(まゆずみ)あざか
繭墨霊能探偵事務所の長である14歳の少女。常に紅の唐傘を持ち、ゴシックロリータを羽織っている。
唐傘を通じて異界と繋がり、死者と会話をしたり、夢を渡ったりできる力の持ち主。
人の心の闇が覗けるような事件を好み、依頼があれば観察がてらに事件を解決する。
チョコレートを以外の食べ物を口にしない偏食家で、暇さえあれば食べている。
親見さん
14歳の少女が、人の心の闇を覗けるような事件を好むなんて……ギャップが!

繭墨こと繭さんは、言動や行動のいたるところに魅力がありますので、それも後ほど紹介いたします。

メインキャラクター②
小田桐勤(おだぎりつとむ)
B.A.D.の主人公であり、苦労人。繭墨霊能探偵事務所で働く19才の男子であり、雇い主である繭墨あざかにはこき使われてる。繭墨が娯楽感覚で解決していく事件は、身体的にも、精神的にもグロテスクな内容が多くストレスを抱えている。そのため未成年ながらヘビースモーカーと化してしまった。
繭墨に嫌気がさしているが、とある事件で『鬼』を孕(はら)ませられてしまったため、彼女から離れられない。
親見さん
お、男のヒトなのに、鬼を孕まされた……?

強烈な設定ですよね!

正直、コレだけでも「おお!?」となります。

いかにしてボクの性癖が破壊されたか

主人公の小田桐さんの【鬼を孕まされた】設定も強烈ですが、今回はヒロインである繭墨あざかこと繭さんを中心に見ていきます。

ボクの性癖がじょじょに壊されて、再形成される過程の解説です。

親見さん
人の性癖がねじれていく様なんて見たくないですよ……。

繭墨あざかの登場シーンでハートをキャッチされる

繭さんの登場シーンは、ラウンド1にいきなり顔面にストレートをもらったくらいのインパクトがありました!

「あそこのコンビニで板チョコを売っていたんだけれど、安いのでも高いのでも満足度は変わらないね。ポリフェノールの多い少ないもあまり関係ないさ。あぁいった栄養素が取りざたされるのは何故なのかなぁ。チョコは麻薬だから、気休めなのかもね」
 繭墨は、極端なことを言い再びチョコレートを齧った。唇の間で、暗褐色が崩れる。
「今度は子宮だそうだよ。なかなか面白くなってきたじゃないか」
 それは乾いた血の色に似ている。嫌な想像が脳裏をよぎり、僕は首を振った。そう、例えば人の臓器で言うなら……。
「胎盤? 似てるかな、似ていないね?」
「……………」
「あぁ、それとも、胎児? 経血? そんなことないさ、これはチョコレートだよ」
引用:B.A.D.1巻 「繭墨は今日もチョコレートを食べる」より

初っ端から、溶けたチョコレートを食べながら、平然とそれを臓器に例えていくんです。

親見さん
と、溶けたチョコレートは、言われてみれば内臓に似ている気がしなくもないですね……なかなかグロテスクです! でも、インパクトは最高ですね!

この時点で、「ああ、もう全巻買っちゃう。今すぐ買っちゃう」ってなりましたね。

親見さん
すでにキャラクターに憑りつかれています……。

繭墨あざかはボクっ娘

繭さんの以下のセリフからもわかるように、ボクっ娘です!

「個人の趣味嗜好で、最も対立が起きやすいものは食の好みだね、小田桐君。食の価値観の違いは、対人関係に容易に罅を入れかねない。だからね、君が甘いものを嫌いだから、止めて欲しいという理屈はわかるよ? でも、ボクはチョコレートを飲まないと死ぬから、そこは君が折れるのが善人のありようというものさ」
引用:B.A.D.1巻 「繭墨は今日もチョコレートを食べる」より

B.A.D.を見始めた当時、ボクはライトノベルやアニメの文化に慣れていませんでした。

この世にボクっ娘なるモノが存在するなんて、思いもよらなかったんです!

女の子が「ボク」を使う姿に出会って、ギャップにやられました。

B.A.D.の繭さんに巡り合って以来、「ボクっ娘」属性が死ぬほど好きになったんです。

親見さん
性癖が……壊されています!

強要するわけではない依存関係がクセになってしまう

親見さん
依存関係なんて言葉まで出して……どこまで行ってしまうのでしょうか。

B.A.D.で、繭さんは主人公である小田桐さんにこう述べます。

「忘れないでくれたまえ」
 その口調はひどく真剣だ。そっと自身の薄い腹を撫でながら、彼女は言った。
「人の腹は、あっさりと裂けるんだよ」
引用:B.A.D.1巻 「繭墨は今日もチョコレートを食べる」より

小田桐さんは腹に飼っている鬼のせいで、繭さんから離れられない体になっています。

本当は、不幸をいっぱい見せつけてくる繭さんから離れたいと考えているはずなのに、です。

「ふーん、離れたいんだ。でも、ボクから離れたら死ぬけどね」みたいな繭さんの態度が、ぶっ刺さりました。

それ以来、ボクは主人公と強烈な依存関係を持つキャラが好きになってしまいました。

親見さん
1冊の本で、人の趣味嗜好はあっさり書き換えられてしまうのですね……。

人の好きを塗り替えてしまうキャラクターの特徴

繭墨あざかというキャラクターに、ボクの「好き」がいかにリライトされたかは、わかっていただけたと思います。

人の性癖を塗り替えてしまうキャラクターの条件は、いろいろとありますが、B.A.D.から学べるのは以下の3つでしょう!

・登場シーンが強烈
・知らないモノに出会う驚き
・読者の感情移入先である主人公と、どろっとした依存関係を持つ

では、順に見ていきますん!

登場シーンが強烈

人間、出会いが大事ですよね。

それと一緒で、キャラクターとの出会いも重要です。

登場がつまらなければ、読者のキャラクターへの興味は薄くなっちゃいます。

親見さん
逆に、読者の頭をガツンと揺さぶる登場をさせれば、それだけで読み進めてしまいますよね!

読者にキャラを好きにさせるには、まず登場から。

キャラクターが映える登場シーンを考えてみてはいかがでしょうか?

知らないモノに出会う驚き

繭さんは「ボクっ娘」です。

今でこそ慣れ親しんだ(最愛と言っていい)属性ですが、当時のボクには馴染みがありませんでした。

人は知らないモノに出会うと、衝撃を受けます。

親見さん
世に出ていない未知のキャラクターを作るようにすれば、魅力的なキャラクターに仕上がるわけですか?

それができれば最高ですが、想像力豊かな天才作家さんが数多くいる中で、隙間をぬって新しい属性を作り上げるのはなかなか難しいでしょう!

世にあるマイナーな属性や要素をキャラクターに盛り込んでみるところから始めたらいいですね。

読者の感情移入先である主人公と、どろっとした依存関係を持つ

依存は、心地いいモノです。

親見さん
うーん、ちょっぴり危ない人に見えてしまいます!

繭さんは、主人公である小田桐さんにとって「離れたくても離れられない」キャラクターでした。

主人公は、読者の依り代です。

その主人公と依存関係を持つキャラクターは、魅力的に見えるモノです。

依存されたり、したりするのは、心地いいですからね。

親見さん
わかりはしますけど、わかりたくないかもしれません!

まとめ

B.A.D.について紹介させていただきました。

キャラクターである繭さんに焦点を当てて記事を書きましたが、物語もめちゃくちゃ面白い作品です。

興味が湧いた方は読んでみてくださいませ!

(個人的に、1巻と最終巻の対比が利いた表紙が好きです)



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